
警備業で営業所を新設する手続き|同一県・県外の届出を整理
警備業で営業所を新設する手続き|同一県・県外の届出を整理
警備業の営業所新設手続きは、同一都道府県内の追加と、主たる営業所とは別の都道府県への設置で、根拠条文・届出時期・提出経路が異なります。
同じ都道府県内で営業所を追加するときは、認定申請書の記載事項が変わるため変更届として扱います。一方、県外に営業所を設けるときは、その都道府県を管轄する公安委員会への届出が設置前に必要です。期限を一つにまとめると、事後届と事前届を取り違えるおそれがあります。
この記事では、所在地による分岐、営業所名・業務区分・警備員指導教育責任者の確認、提出経路、開設後の台帳更新を順に整理します。法定手続きと、警備HUBで開設後の業務データを管理できる範囲も分けて解説します。
営業所新設で必要な手続きの分け方

同一都道府県内は変更届として扱う
警備業法第5条第1項第2号は、主たる営業所その他の営業所の名称、所在地、取り扱う警備業務の区分を認定申請書の記載事項としています。同じ都道府県内に営業所を追加するとこの事項が変わるため、警備業法第11条第1項に基づく変更届の対象です。営業所の追加だけを理由に、別会社として認定を取り直す手続きではありません。
警備業法施行規則第17条第1項は変更届を別記様式第6号とし、第2項は主たる営業所所在地の所轄警察署長を経由して提出するよう定めています。期限は変更の日から10日以内ですが、登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内です。起点を準備開始日ではなく実際の変更日として記録し、必要書類の有無で期限を分けます。変更手続き全体は警備業の変更届出と認定更新の手続き一覧でも確認できます。
県外への設置は法第9条の届出を確認する
警備業法第9条は、主たる営業所がある都道府県とは別の都道府県に営業所を設ける警備業者に対し、設置先の区域を管轄する公安委員会への届出を求めています。警備業法施行規則第11条第1項の様式は別記様式第4号です。同条第2項により、新営業所所在地の所轄警察署長を経由し、営業所を設けようとする日の前日までに提出します。
県外届には、認定をした公安委員会の名称と認定番号、新営業所の名称・所在地・取扱業務区分、区分ごとに選任する指導教育責任者の氏名・住所などを記載します。根拠は警備業法施行規則第12条です。同規則第14条には県外で行う一部の警備業務に関する除外がありますが、県外営業所の設置自体を一律に除外する規定ではありません。
| 設置先 | 主な根拠 | 届出時期 | 主な経由署 |
|---|---|---|---|
| 同一都道府県内 | 警備業法第11条 | 変更日から10日以内、一定の場合20日以内 | 主たる営業所所在地の所轄警察署 |
| 主たる営業所とは別の都道府県 | 警備業法第9条 | 設置日の前日まで | 新営業所所在地の所轄警察署 |
届出前に準備する事項

営業所名・所在地・業務区分を確定する
届出書を用意する前に、営業所名、所在地、開設日、その営業所で取り扱う警備業務の区分を社内で確定します。警備業法第5条第1項第2号が名称・所在地・業務区分を一組で扱っているため、住所だけ先に提出し、区分を後で決める進め方では変更内容を正確に示せません。賃貸借契約や登記事項との表記差も提出前に確認します。
新営業所が受け持つ契約先と現場、隊員の所属や連絡経路も整理します。ただし、これらの社内運用項目を届出書の法定記載事項と混ぜないことが大切です。届出用の確定情報と、開設後の業務管理に使う情報を分けたうえで、営業・管制・労務の各担当が同じ営業所名と所在地を使える状態にします。警備業法で会社が守る義務と照らし、営業所ごとの管理責任も確認してください。
区分ごとの指導教育責任者と添付書類を確認する
警備業法第5条第1項第3号は、営業所ごと、かつ、その営業所で取り扱う警備業務の区分ごとに、選任する警備員指導教育責任者の氏名と住所を記載するよう求めています。一人の責任者名を営業所全体へ機械的に転記せず、資格者証の区分と新営業所が扱う区分を人が照合します。
県外設置では、警備業法施行規則第13条が、新営業所について選任する指導教育責任者に係る所定書類の添付を定めています。同一県内の変更届では、同規則第19条により変更事項に係る書類を確認します。責任者の就任予定だけで提出可否を判断せず、資格者証、氏名・住所、必要な添付書類が届出時点でそろうかを確認します。認定から開業までの基本は警備業の開業・認定申請の流れでも整理しています。
提出から開設後までの実務

提出先・経由署・期限を都道府県警で確認する
提出準備では、届出先の公安委員会だけでなく、実際に書類を提出する経由署を確認します。同一県内の変更届は主たる営業所所在地の所轄警察署長を経由します。県外設置の届出は、新営業所所在地の所轄警察署長を経由します。公安委員会の所在地へ直接持参すると一律に決めないでください。
法令上の期限を押さえたうえで、受付時間、提出部数、添付書類の案内は各都道府県警の現行案内で最終確認します。社内では開設予定日から逆算し、責任者確認、書類確認、提出、受理状況確認、開設後更新の担当を置きます。受理を認定の再取得と表現せず、どの届出をいつ、どの経由署へ提出したかを記録します。
| 判断段階 | 確認内容 | 完了の目安 |
|---|---|---|
| 所在地 | 同一県内か県外か | 適用する届出を分けた |
| 業務区分 | 新営業所で扱う区分 | 届出内容と社内計画が一致した |
| 指導教育責任者 | 区分、氏名、住所、関係書類 | 区分ごとの担当が確定した |
| 提出先 | 公安委員会と経由署 | 受付方法を確認した |
| 期限 | 10日、20日、設置日前日 | 起点と社内締切を記録した |
| 開設後台帳 | 契約先、現場、隊員、資格 | 更新担当と確認日を決めた |
この分岐表は、警備業法第5条、第9条、第11条と警備業法施行規則第11条から第19条までの事項を、営業所新設の実務順に対応させたものです。
開設後の営業所・隊員・現場台帳を更新する
届出が済んだ後は、契約先、現場、担当営業所、所属隊員、資格情報、配置連絡先を新しい運用へ合わせます。届出書の営業所名と社内台帳の表記が異なると、契約、配置、報告、請求の担当先を追いにくくなります。開設日を基準に旧営業所から引き継ぐ案件と、新営業所で開始する案件を分けます。
隊員の所属を変える場合は、配置予定だけでなく、資格・検定の保有状況と有効期限、現場ごとの連絡方法も確認します。契約台帳や警備員名簿など、別の根拠で管理する情報は、営業所届の控えだけで代用しません。営業所、現場、隊員のどの情報を誰が更新し、別担当者がいつ確認するかを開設後の手順にします。
警備HUBで複数営業所の元データを整理する

営業所・現場・隊員・資格期限を一元管理する
警備HUBでは、契約先、現場、契約台帳、隊員マスタ、資格・検定の保有状況と有効期限、配置、報告、請求に使う情報を一元管理できます。カスタム項目に担当営業所などの会社固有の区分を持たせれば、新旧営業所が受け持つ契約や現場を整理する材料にもできます。警備の複数現場・複数営業所を一元管理する方法と合わせて、更新単位を決めてください。
ただし、警備HUBは営業所新設の届出書を作成・提出するシステムではなく、公安委員会や警察署への自動申請機能もありません。所在地による手続きの判断、責任者と添付書類の確認、提出、期限管理は警備業者が行います。
開設後の契約先・現場・隊員情報を整理したい方は、警備HUBの資料請求をご利用ください。
よくある質問

営業所を増やすたびに新しい認定が必要ですか
既に認定を受けている警備業者が営業所を追加する場合、営業所の追加だけを理由に毎回新しい認定を受ける手続きではありません。同一都道府県内の追加は警備業法第11条の変更届、主たる営業所とは別の都道府県への設置は同法第9条の届出として、所在地関係を基に判断します。
新規に警備業を始める者が受ける認定と、認定後に営業所を追加する届出を混同しないでください。会社の認定状況、主たる営業所の所在地、新営業所の所在地、取扱業務区分を確認し、該当する様式と提出経路を確定します。
同じ県内と県外で期限は同じですか
同じではありません。同一都道府県内の営業所追加は、警備業法施行規則第17条第2項により変更日から10日以内で、登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内です。県外設置は同規則第11条第2項により、営業所を設けようとする日の前日までです。
前者は変更後の期限、後者は設置前の期限なので、開設予定表に同じ締切を入れないようにします。届出区分、法定期限、社内提出日、実際の提出日を別欄で管理すると、起点の取り違えを防げます。
どの警察署へ提出しますか
同一都道府県内の変更届は、主たる営業所所在地の所轄警察署長を経由します。主たる営業所とは別の都道府県に営業所を設ける届出は、新営業所所在地の所轄警察署長を経由します。根拠はそれぞれ警備業法施行規則第17条第2項と第11条第2項です。
所在地や届出内容により受付案内が異なる可能性があるため、提出前に各都道府県警の現行案内で経由署、受付方法、提出部数を確定します。公安委員会名だけを見て提出場所を決めず、所轄区域まで確認してください。
まとめ
警備業の営業所新設は、同一都道府県内なら警備業法第11条の変更届、主たる営業所とは別の都道府県なら同法第9条の届出として分けます。同一県内は変更日から10日以内または一定の場合20日以内、県外設置は設置日の前日までです。
営業所名・所在地・業務区分と、区分ごとの指導教育責任者を確定し、公安委員会と経由署を確認してください。開設後は、契約先・現場・隊員・資格情報を同じ営業所区分で更新し、届出と日常運用の表記を一致させることが重要です。
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警備HUBは、契約先・現場・隊員・資格・配置・報告・請求の情報を一元化し、開設後の業務データを整理します。
監修:依田 尚人(警備HUB 開発責任者)。警備実務の専門家への取材・助言を経て警備HUBを開発し、その業務知見をもとに本記事を確認しています。
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