
警備業法で会社が守る義務とは【2026年版】認定・届出・教育・備付書類の全体像
警備業を営む会社が守る義務は、突き詰めると「都道府県公安委員会の認定を受け、そのうえで教育・書類・責任者という体制を継続して維持すること」に集約されます。単発の手続きで終わるものではなく、認定から隊員登録・教育・配置・書類の備付け・更新や変更届まで、一連のライフサイクルを法令に沿って回し続けることが求められます。
本記事は、警備業法(昭和47年法律第117号)と同施行規則を根拠に、警備会社側に課される運営義務の全体像を一枚に体系化したものです。あわせて、義務が「会社単位」で課されるものと「営業所単位」で課されるものに分かれる点を独自の比較表で整理し、手作業で回すと抜け漏れが起きやすい理由と、台帳で情報を一元化する実務までをつなぎます。配置規制そのものの詳細には立ち入らず、会社の運営義務の全体像に絞って解説します。
警備業法で会社が守る義務とは?(結論+全体早見表)
一言でいえば「認定を受け、教育・書類・責任者の体制を継続する」義務
一言でいえば、警備会社が守る義務は「都道府県公安委員会の認定を受け、そのうえで教育・書類・責任者の体制を継続して維持すること」です。警備業法(昭和47年法律第117号)は、警備業を営む前の入口として認定を求め(第4条)、営業を続ける間も、警備員教育・書類の備付け・指導教育責任者の選任といった継続的な体制整備を事業者に課しています。
つまり義務は「開業時に一度クリアすれば終わり」ではありません。認定の更新や各種の変更届まで含めて、継続的に回し続けるものだと捉えるのが出発点です。この記事では、その全体像を早見表と会社単位/営業所単位の比較表で俯瞰し、最後に手作業の負担を減らす一元管理の考え方まで整理します。
会社が守る義務の全体早見表(義務項目×根拠×頻度×管轄)
会社が守る義務を、義務項目・主な根拠・頻度(タイミング)・管轄で一枚にまとめると、全体像がつかめます。まずはこの早見表で「いつ・どこに・何を」を把握してください。条番号や具体値は改正されうるため、最終的には一次ソースで確認する前提で読み進めてください。

| 義務項目 | 主な根拠 | 頻度・タイミング | 管轄 |
|---|---|---|---|
| 認定の取得 | 警備業法第4条 | 開業前に取得 | 主たる営業所を管轄する公安委員会 |
| 認定の更新 | 警備業法第7条 | 有効期間5年ごと | 主たる営業所を管轄する公安委員会 |
| 欠格事由に該当しないこと | 警備業法第3条 | 常時 | 公安委員会 |
| 警備員の制限(18歳未満・欠格者を従事させない) | 警備業法第14条 | 採用・配置の都度 | 事業者が確認 |
| 警備員教育(新任・現任) | 警備業法第21条ほか | 新任は採用時/現任は定期 | 営業所 |
| 指導教育責任者の選任 | 警備業法第22条 | 営業所・区分ごと | 営業所 |
| 書類(名簿等)の備付け | 警備業法第45条 | 常時・随時更新 | 営業所ごと |
| 各種届出(変更・営業所等) | 警備業法・同施行規則 | 事由が生じた都度 | 公安委員会 |
なお母集団として、警察庁『令和6年における警備業の概況』によれば、令和6年12月末現在、認定を受けた警備業者(第4条に基づく認定業者)は全国で1万811業者、警備員数は58万7,848人にのぼります。これらすべての事業者が、上表の義務を継続的に負っています。
認定・欠格事由と、会社単位/営業所単位の義務区分
認定の必要性・有効期間・欠格事由の考え方
警備業は、都道府県公安委員会の認定を受けなければ営むことができません(警備業法第4条)。ここは「許可」ではなく「認定」という言葉が使われる点に注意が必要です。認定の有効期間は、認定を受けた日から5年間で、引き続き営業するには有効期間の更新を受ける必要があります(第7条)。

また、法人の役員などが一定の要件に触れると認定を受けられません。これを欠格事由といい、拘禁刑以上の刑に処せられた者や、警備業法違反などで一定期間を経ていない者などが第3条各号に定められています。加えて、18歳未満の者や欠格事由に当たる者を警備員として業務に従事させることは禁じられています(第14条)。条番号や有効期間・具体的な要件は改正されうるため、e-Gov法令検索の警備業法・同施行規則で最新を確認してください。
会社単位で課される義務 vs 営業所単位で課される義務
警備業法の義務は、事業者(会社)単位で課されるものと、営業所単位で課されるものが混在します。ここを取り違えると、営業所を増やしたときに選任や備付けの漏れが生じます。認定と欠格要件は事業者としての適格性なので会社単位、指導教育責任者の選任と書類の備付けは営業所ごとが基本です。

| 義務項目 | 会社(事業者)単位 | 営業所単位 | 主な根拠 |
|---|---|---|---|
| 認定の取得・更新 | 事業者として取得・更新 | 営業所ごとの認定は不要 | 第4条・第7条 |
| 欠格事由に該当しない | 役員等の適格性を維持 | 選任者の適格性は別途確認 | 第3条 |
| 指導教育責任者の選任 | 会社で1人ではない | 営業所・区分ごとに選任 | 第22条 |
| 書類(名簿等)の備付け | 本社一括では不可 | 営業所ごとに備付け | 第45条 |
| 警備員教育の実施 | 実施義務は事業者 | 記録・運用は営業所ごと | 第21条 |
上表は義務の帰属を大枠で整理したものです。具体の適用範囲・書類の種類・様式は、警備業法・同施行規則および各都道府県公安委員会の公示で確認してください。
教育・責任者・書類・届出という運営中の継続義務(概説)
警備員教育と指導教育責任者の選任
運営を続ける間の中心的な義務が、警備員教育と指導教育責任者の選任です。警備員教育は、新たに警備員となった者への新任教育と、業務に就いている者への現任教育に分かれ、いずれも事業者に実施が義務づけられています(第21条)。教育の時間数や区分は施行規則で定められ、改正で変わることがあるため、具体的な時間は根拠年次とあわせて最新の施行規則で確認するのが安全です。

指導教育責任者は、警備員の指導と教育を担う国家資格者で、営業所ごと・警備業務の区分ごとに選任しなければなりません(第22条)。有資格者が確保できないと、その区分の営業自体が難しくなるため、採用・育成の計画に直結する義務だといえます。誰がどの営業所・区分の責任者かを台帳で管理しておくと、欠員や資格の失効に早く気づけます。
書類の備付けと運営中の届出・変更手続き
営業所では、警備員の名簿をはじめとする所定の書類を備え付け、必要な事項を記載しておく義務があります(第45条)。名簿には氏名や資格の状況などが含まれ、監査や立入りの際に確認の対象となります。書類が営業所ごとにばらばらの様式で保管されていると、提示を求められたときにすぐ出せず、指摘を受ける原因になります。
あわせて、認定の内容や営業所、警備員の服装・護身用具といった届出事項に変更が生じたときは、公安委員会への届出が必要です。届出の対象や期限は事項ごとに異なり、内閣府令(施行規則)で定められています。これらは一度出せば終わりではなく、変更のたびに更新する運用が求められるため、社内で「誰が・いつ・何を届け出るか」をあらかじめ決めておくと抜け漏れを防げます。
法令義務を手作業で回すときの負担と一元管理
名簿・教育・資格・期限が分散すると抜け漏れが起きる構造
警備会社の法令義務は、名簿(隊員情報)、教育の実施記録、保有資格・検定、認定や資格の有効期限、配置実績と、性質の異なる情報が絡み合います。これらが台帳・エクセル・紙・個人のメモに分散していると、抜け漏れが起きやすくなります。

たとえば「有効期限が切れた資格者を気づかず配置していた」「教育の記録が営業所ごとに様式が違い、監査時にすぐ出せない」といった事態です。義務そのものは減らせませんが、情報が一か所に集約されていれば、担当者が期限や記録を確認しやすくなり、抜け漏れに気づく余地が広がります。ここが、手作業から一元管理へ切り替える価値の中心です。
契約先→配置→報告→請求の台帳で義務エビデンスを一元化する
契約先・現場・配置・上下番/巡回報告・請求という一連の台帳を1つにまとめると、名簿・保有資格・有効期限・配置実績・報告など、義務の履行を裏づける情報を一元的に残せます。警備HUBでは、隊員マスタに保有資格や検定の有効期限を登録して見える化し、有効期限が近い隊員を担当者が一覧で確認できます。配置時のダブルブッキングは、保存のタイミングで自動的に検知して警告します。
上下番・巡回はスマートフォンから報告でき、GPSの位置記録(到着証跡)を残せます。操作の履歴は監査ログとして記録されます。教育の実施記録も、隊員台帳のカスタム項目として一元的に残せます(専用の教育受講記録管理は今後の対応予定です)。ただし、システムが法令義務そのものを代行するわけではありません。保有資格と現場要件の突合や配置の可否は担当者が確認して判断するもので、自動での突合や配置可否の判定、期限の自動通知、法定帳票の自動作成は行いません。あくまで、人が確認しやすい状態に情報を整えるための仕組みです。
よくある質問(FAQ)
認定を受けずに警備業を始めるとどうなりますか?
認定を受けずに警備業を営むことはできません(警備業法第4条)。認定を受けないまま業として警備を行うことは同法の規制に反し、罰則や事業の停止といった不利益につながり得ます。具体的な罰則や量定は警備業法の罰則規定および各都道府県警の運用で確認してください。まずは認定の取得が、すべての義務の出発点になります。
教育や書類の義務は営業所ごとですか、会社単位ですか?
認定と欠格要件は事業者(会社)単位、指導教育責任者の選任と書類(名簿等)の備付けは営業所単位が基本です(第22条・第45条)。警備員教育の実施義務は事業者に課されますが、記録や運用は営業所ごとに管理します。営業所を増やすときは、選任と備付けが営業所ごとに必要になる点に注意してください。
義務違反があると事業にどんな影響がありますか?
内容に応じて、指示や営業の停止、認定の取消しといった行政処分や罰則の対象となり得ます(処分の要件や程度は警備業法および各公安委員会の運用で確認してください)。行政上の不利益に加え、無資格者の配置や書類不備が発覚すると、取引先の信用低下や契約の失注にもつながります。日常的な記録と確認が、結果的にリスクを下げます。
システムで法令義務そのものを代行できますか?
いいえ。システムが認定や教育などの法令義務そのものを代行したり、順守を保証したりするものではありません。警備HUBができるのは、名簿・保有資格・有効期限・配置・報告といった、義務の履行に必要な情報を一元化し、担当者が抜け漏れを確認しやすくすることです。確認や判断の主体はあくまで人であり、システムは記録と可視化を支える役割にとどまります。
まとめ
警備業法が警備会社に課す義務は、認定という入口だけでなく、教育・書類・責任者・届出という運営中の継続義務まで含みます。ポイントは、認定と欠格要件は事業者(会社)単位、指導教育責任者の選任と書類の備付けは営業所単位、という帰属の違いを押さえることです。義務そのものは減らせませんが、名簿・資格・有効期限・教育の記録・配置・報告を一か所に集約しておけば、担当者が抜け漏れを確認しやすくなります。条番号や具体値は改正されうるため、最終的な判断は警備業法・同施行規則および各都道府県公安委員会の公示で確認してください。
義務の記録を、台帳ひとつに集約する
警備HUBは、契約先・現場・隊員・保有資格と有効期限・配置・上下番/巡回報告・請求を1つの台帳でつなぐ、警備会社向けの業務管理システムです。名簿や資格・期限が分散して起きる抜け漏れを、担当者が確認しやすい形に整えます。
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監修:依田 尚人(警備HUB 開発責任者)。警備実務の専門家への取材・助言を経て警備HUBを開発し、その業務知見をもとに本記事を確認しています。
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