
警備員指導教育実施簿の書き方|記録項目と確認手順【2026年版】
警備員指導教育実施簿の書き方|記録項目と確認手順【2026年版】
警備員教育の実施記録には、実施年月日・内容・方法・時間数・場所・実施者・対象警備員を記録し、指導教育責任者と実施者が誤りのないことを確認する付記が必要です。
検索では「警備員指導教育実施簿」と呼ばれますが、警備業法施行規則が定めるのは記録事項と確認付記であり、全国共通の帳票名や様式ではありません。教育計画書や実地指導の記録とも役割が異なります。
この記事では、法定の記録事項を二つのグループに分け、当日の実績、欠席・補講、訂正、確認、年度終了後の保存までを整理します。警備HUBを使う範囲も、教育受講記録ではなく勤怠・隊員情報の照合材料に限定して説明します。
警備員教育の実施記録とは

施行規則が求める記録の位置付け
警備業法第45条は、警備業者に営業所ごとの警備員名簿その他の書類の備付けと必要事項の記載を求めています。その具体的な書類の一つが、警備業法施行規則第66条第1項第6号に定める年度ごとの警備員教育の実施記録です。
この記録は、教育を予定したことではなく、いつ、どの内容を、どの方法で、誰に実施したかという事実を残すものです。警備業法施行規則第40条第3号は、指導教育責任者の業務として、第6号書類など警備員教育の実施に関する記録の記載を監督することを定めています。作成者だけで完結せず、監督と確認まで含む点が重要です。
教育計画書・指導計画書との違い
教育計画書は、年度ごとの実施時期、内容、方法、時間数、実施者、対象とする警備員の範囲を事前に定める書類です。教育実施記録は、その計画に対して当日に何を行い、誰が受けたかを記録します。指導計画書は実地指導の計画であり、年度教育の計画や実績とは別です。
| 書類 | 時点 | 記録の中心 | 保存起点 |
|---|---|---|---|
| 教育計画書 | 年度開始前 | 予定する教育 | 当該年度の終了日 |
| 教育実施記録 | 教育実施後 | 実施した教育の事実 | 当該年度の終了日 |
| 指導計画書 | 実地指導前 | 実地指導の計画 | 実地指導日 |
警備員の法定教育で教育制度の全体を確認し、備付書類の位置付けは警備業の備付け書類・帳簿一覧と分けて理解すると、同じ情報の二重記録を減らせます。
実施記録に書く項目

日時・内容・方法・時間数・場所を記録する
警備業法施行規則第66条第1項第6号は、実施年月日、内容、方法、時間数、実施場所の記録を求めています。年月日だけでなく、基本教育か業務別教育か、講義か実技かなど、実際に行った内容と方法を区別できる状態にします。時間数は予定値を転記せず、当日の開始・終了と中断を確認して実績を記録します。
実施場所は営業所名だけで曖昧になるときに、会議室や訓練場所まで社内識別できる表記にします。オンライン講義を含む運用でも、実施方法と場所の事実を統一したルールで残します。法定項目を満たしたうえで、教材名や確認方法を補助情報として加えると、後日の照合がしやすくなります。
実施者・対象者・確認付記を残す
同号は、実施者の氏名と対象となった警備員の氏名も記録事項に含めています。「新任者一同」「対象者全員」のような集合表現だけで済ませず、個人ごとに受講の事実を確認できるようにします。途中参加や早退があれば、実際の時間数や受講範囲との関係も記録します。
さらに、指導教育責任者と実施者が、これらの事項に誤りがないことを確認する旨の付記が必要です。両者の確認を一つに省略せず、確認日と確認者を識別できる状態にします。電子記録でも、誰がいつ確認したかを後から追える運用にすることが大切です。
- 実施者が当日の事実を確定する
- 対象警備員の氏名と受講範囲を照合する
- 指導教育責任者が記載内容を確認する
- 両者の確認付記と確認日を残す
欠席・補講・訂正を含む運用手順

計画と当日の差を事実として残す
教育計画どおりに全員が受講できなかったときは、欠席者を受講済みにせず、欠席の事実と対象外になった時間帯を残します。補講を行った後は、元の実施記録を書き換えて一日で完了したように見せず、補講の実施年月日、内容、方法、時間数、場所、実施者、対象者を別の実績として記録します。
教材変更や時間変更も、計画との差を事実として残します。差が直ちに違反を意味するわけではありませんが、変更理由と承認経緯を整理すれば、計画、当日の実施、確認付記を一続きで説明できます。警備員指導教育責任者の役割と選任義務も合わせ、記載監督の担当を明確にしてください。
年度終了後2年間の保存と検索方法を決める
警備業法施行規則第66条第2項は、教育計画書と教育実施記録を、当該年度が終了した後も、その終了の日から2年間備えておくと定めています。個々の教育実施日から2年間ではないため、年度情報を持たせ、年度終了日を起点に保存期限を設定します。
訂正時は元の記録を削除して痕跡を消すのではなく、訂正箇所、訂正理由、訂正日、訂正者を追えるようにします。電子保存へ移す条件は警備業の法定書類を電子化する条件で確認できます。年度、教育区分、対象者、実施日で検索できる索引を作ると、保存期間中の確認が容易です。
| 照合段階 | 確認対象 | 不一致時の扱い |
|---|---|---|
| 教育計画 | 時期、内容、方法、対象範囲 | 変更理由と版を残す |
| 当日の実施 | 日時、場所、実施者 | 実績値を記録する |
| 対象者 | 受講者、欠席者、補講対象者 | 個人ごとに分ける |
| 確認付記 | 指導教育責任者、実施者 | 両者の確認を残す |
| 保存 | 年度終了日、保存期限 | 訂正履歴も保持する |
この5段階照合表は、警備業法施行規則第66条第1項第5号・第6号と第2項を、計画から保存までの確認順に整理したものです。
警備HUBの勤怠・隊員情報を照合材料にする

CSV実績と隊員マスタを人が照合する
警備HUBでは、隊員マスタを管理し、勤怠・給与実績CSVを業務データとして扱えます。教育実施記録の対象者氏名と、勤務実績や在籍情報に不自然な食い違いがないかを人が確認する材料にはできます。
ただし、警備HUBに教育受講記録機能や教育実施記録の自動作成機能はありません。CSVや隊員マスタだけで受講済みと判断せず、当日の教育記録、実施者の確認、対象警備員の氏名、確認付記を別途確定します。
隊員情報と勤怠・給与実績CSVの管理範囲を確認したい方には、警備HUBの資料をご案内しています。
よくある質問

決まった法定様式はありますか
警備業法施行規則第66条第1項第6号は記録する事項を定めていますが、様式の指定はありません。検索で使われる「警備員指導教育実施簿」という名称だけを基準にせず、実施年月日、内容、方法、時間数、場所、実施者、対象警備員、確認付記が揃っているかを確認します。
会社独自の紙様式や電子様式を使うときも、欄の名称より記録事項の充足が重要です。指導教育責任者と実施者の確認付記が抜けやすいため、提出前の確認項目に含めます。
教育計画書と同じファイルで管理できますか
同じ保管場所やシステムで管理すること自体よりも、教育計画書と教育実施記録の役割を区別できる状態が重要です。教育計画書は年度の予定を示し、実施記録は当日の事実と対象者、確認付記を示します。
一つのファイルにまとめるなら、計画部分と実績部分を明確に分け、変更前の計画と実績が混ざらないようにします。計画版、実施日、対象者、確認者を相互にたどれる識別情報を付け、年度終了日から2年間の保存対象を確定してください。
保存期間はいつから数えますか
警備業法施行規則第66条第2項により、教育実施記録の保存期間は当該年度が終了した日から2年間です。個々の教育実施日、記録作成日、確認日から数えるものではありません。
保存管理では、対象年度、年度終了日、保存期限をセットで登録します。同じ年度に補講や訂正があっても、元の記録と変更履歴を結び付け、期限まで検索・表示できる状態を保ちます。
まとめ
警備員教育の実施記録には、警備業法施行規則第66条第1項第6号が定める7種類の情報と、指導教育責任者・実施者による確認付記が必要です。全国共通の指定様式はないため、帳票名ではなく記録事項で確認します。
欠席、補講、変更、訂正は実際の経過に沿って残し、計画と実績を混同しないことが大切です。保存は当該年度の終了日から2年間であり、勤怠や隊員情報は人による照合材料として使います。
関連記事: 警備業の備付け書類・帳簿一覧 / 警備員の法定教育 / 警備員指導教育責任者の役割と選任義務 / 警備業の法定書類を電子化する条件
教育記録の周辺データを整理する
警備HUBは、隊員情報と勤怠・給与実績CSVを一元管理し、教育記録を確認する際の照合材料を探しやすくします。
監修:依田 尚人(警備HUB 開発責任者)。警備実務の専門家への取材・助言を経て警備HUBを開発し、その業務知見をもとに本記事を確認しています。
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