
警備員の法定教育とは|新任教育・現任教育の時間・内容・記録の義務【2026年版】
警備員の法定教育とは、警備業法第21条第2項と警備業法施行規則第38条に基づき、警備会社が自社の警備員に対して行う義務がある教育です。大きく分けて、新たに警備業務へ就かせる前に行う「新任教育」と、在職中の警備員へ年度ごとに行う「現任教育」の2つがあります。それぞれ基本教育と業務別教育で構成され、教育時間・内容・記録の保存まで法令で枠組みが定められています。
本記事では、新任・現任教育の対象・時間・内容・頻度を根拠年次つきで整理し、実務で漏れやすい「教育記録の保管」までを解説します。教育時間は令和元年(2019年)の施行規則改正で見直された経緯があり、改正で変わりうるため、具体的な数値は必ず一次ソースで最新を確認してください。
警備員の法定教育とは?(結論+定義+早見表)
一言でいえば「配置前の新任教育」と「年度ごとの現任教育」
結論として、法定教育は「警備員を配置する前に行う新任教育」と「在職中に毎年度行う現任教育」の2本立てで、実施義務を負うのは警備員個人ではなく警備会社(警備業者)です。根拠は警備業法第21条第2項で、警備業者は警備業務を適正に実施させるため、警備員へ教育を行い、必要な指導・監督をしなければならないと定められています。
具体的な区分・時間・内容は警備業法施行規則第38条とその別表に規定され、教育は「基本教育」(どの区分にも共通する基礎)と「業務別教育」(従事する警備業務の区分に応じた専門)に分かれます。未実施のまま配置することは法令違反にあたり、認定の取消しや指示処分など事業への影響につながるおそれがあります。

新任・現任教育の早見表(対象・時間・内容・頻度)
下表は、「新任教育」と「現任教育」の対象・教育時間・内容・頻度を1枚に整理したものです。教育時間は令和元年改正後の一般的な警備員の値で、警備業務検定の合格者や過去に同種の教育歴がある場合は一部が免除されます。
| 区分 | 対象 | 合計時間の目安 | 主な内容 | 頻度・時期 |
|---|---|---|---|---|
| 新任教育 | 新たに警備業務へ就かせる警備員 | 基本教育+業務別教育で20時間以上 | 基礎知識・関係法令・護身術・区分別の専門 | 業務に就かせる前(配置前) |
| 現任教育 | 在職中の警備員 | 基本教育+業務別教育で10時間以上 | 基礎の再確認・区分別の専門の更新 | 各年度ごと |
出典は警視庁「警備員に対する教育時間」および警備業法施行規則第38条(令和元年改正後)です。実地教育は、業務別教育の時間数を2で除した時間数、または5時間のいずれか少ない時間数が上限とされています。
新任教育の内容と時間

基本教育と業務別教育の位置づけ
新任教育は「基本教育」と「業務別教育」の2つで構成されます。基本教育は、警備業務実施の基本原則、警備業法などの関係法令、事故発生時の措置、護身術、応急手当といった、どの区分の警備員にも共通する土台を扱います。業務別教育は、実際に従事する警備業務の区分(施設警備業務、交通誘導・雑踏警備業務、貴重品運搬警備業務、身辺警備業務など)に応じた専門的な知識と技能を扱います。
令和元年(2019年)8月30日施行の施行規則改正により、改正前は基本教育と業務別教育でそれぞれ時間が定められていたものが統合され、一般の警備員では合わせて20時間以上に見直されました。具体的な時間数は改正で変わりうるため、最新の値は警備業法施行規則の条文や各都道府県警の公示で確認してください。
実施時期(配置前)と対象者の考え方
新任教育の最大のポイントは、実施のタイミングが「警備業務に就かせる前」である点です。教育を終えていない警備員をそのまま現場へ配置することはできず、配置前教育を確実に完了させておく必要があります。
対象は原則として新たに警備業務へ従事させる警備員ですが、警備業務検定の合格者や、直近で同種の教育を受けた経験がある警備員などは、施行規則の定めにより基本教育・業務別教育の一部が免除されます。免除の可否は保有資格や教育歴によって細かく分かれるため、誰にどの範囲の教育が必要かを一人ひとり確認することが実務の出発点になります。この「配置前に何を確認すべきか」という考え方は、あとで触れる資格・検定の有効期限の見える化とも密接に関わります。
現任教育の内容と時間

年度ごとの実施義務と時間の考え方
現任教育は、すでに警備業務に従事している警備員に対して、各年度ごとに継続して行う教育です。一般の警備員では、基本教育と業務別教育を合わせて10時間以上が目安とされています。令和元年改正の前は、教育期を半年ごとに区切って実施する仕組みでしたが、改正により年度ごとの管理へと改められ、教育時間も見直されました。
この枠組みは警備業法施行規則第38条に基づくもので、根拠となる規則は昭和58年国家公安委員会規則第1号を令和元年に改正したものです。時間数や実施単位は今後の改正で変わる可能性があるため、年号を伴わない断定は避け、最新は施行規則の条文で確認する姿勢が欠かせません。継続教育を怠ると、知識・技能が陳腐化するだけでなく、法令上の義務違反にもつながります。
業務区分ごとの留意点
現任教育の業務別教育は、警備員が実際に従事している警備業務の区分に合わせて内容を組む必要があります。たとえば交通誘導・雑踏警備業務では、検定の配置基準が関わる現場もあり、有資格者の配置と教育内容の整合が求められます(配置基準の詳細は各都道府県公安委員会の公示で確認してください)。施設警備業務では出入管理や巡回、緊急時対応が中心になり、貴重品運搬警備業務では運搬中のリスク対応が重視されます。
1人の警備員が複数の区分を兼務している場合は、それぞれの区分に対応した業務別教育が必要になり、必要時間や内容が積み上がります。誰がどの区分に従事し、どの教育をどれだけ受けたかを取り違えると、教育不足のまま配置してしまうリスクが生まれます。
教育の記録・保管義務と実務の抜け漏れ

教育実施簿など記録の保存が漏れやすい理由
法定教育は「実施すれば終わり」ではなく、実施した内容を記録として残し、保存する義務があります。警備業法施行規則では、教育計画書や警備員教育実施簿などを営業所ごとに備え付け、実施年月日・内容・方法・時間数・実施者や対象警備員の氏名などを記録することが求められます。
教育計画書・教育実施簿は、当該年度が終了した日から2年間保存するのが基本とされますが、保存期間や様式は改正で変わりうるため、最新は施行規則の条文と各都道府県警の公示で確認してください。実務で記録が漏れやすいのは、教育の実施記録が紙やエクセル、担当者の手控えなどに分散し、隊員名簿や資格の有効期限とひも付いていないためです。誰の記録が不足しているかが一覧で見えないと、監査や立入りの際に慌てて探すことになります。
資格・検定の有効期限は台帳で見える化し、教育受講状況はカスタム項目で残す

こうした抜け漏れを防ぐ第一歩は、隊員に関する情報を1か所へ集約し、見える化することです。警備HUBでは、隊員マスタに保有資格や検定の有効期限を登録し、有効期限を台帳で見える化できます。これにより、配置前に「誰の資格がいつ切れるか」を人が確認できる状態を作れます。有効期限に応じた自動の配置可否判定や、現場要件と保有資格の自動突合といった機能は、今後の対応予定です。
教育の受講状況そのものについては、現状は隊員台帳のカスタム項目で受講日や区分を記録し、監査ログとあわせて一元的に残す運用になります。教育受講記録を扱う専用機能は今後の対応予定であり、現時点では正直に「記録の一元化まで」とご理解ください。会社が守るべき法令義務の全体像は、警備業法で会社が守る義務の全体像もあわせてご確認ください。
よくある質問
Q. 新任教育を受けずに配置してよい?
いいえ、新任教育は警備業務に就かせる前に完了させる義務があり、未修了の警備員をそのまま現場へ配置することはできません。根拠は警備業法第21条第2項および警備業法施行規則第38条です。警備業務検定の合格者などは一部教育が免除される場合がありますが、免除の範囲は保有資格や教育歴によって異なるため、一人ひとり確認したうえで配置してください。
Q. 現任教育は年に何時間必要?
一般の警備員では、各年度ごとに基本教育と業務別教育を合わせて10時間以上が目安とされています(令和元年改正後・警視庁「警備員に対する教育時間」)。ただし業務区分や保有資格によって必要時間や免除の有無が変わり、改正でも見直されうるため、最新の時間数は警備業法施行規則の条文で確認してください。
Q. 教育記録はどれくらい保管する?
教育計画書や警備員教育実施簿などは、当該年度が終了した日から2年間保存するのが基本とされています。根拠は警備業法施行規則の備付け書類に関する規定です。保存期間や記載事項は改正で変わりうるため、年号を伴わない断定は避け、最新は施行規則の条文と各都道府県警の公示で確認してください。
Q. システムで教育の受講管理はできる?
現状の警備HUBでは、隊員台帳のカスタム項目で教育の受講日や区分を記録し、保有資格・検定の有効期限を見える化して一元管理できます。一方で、教育受講記録を扱う専用機能や、受講状況に応じた自動判定は今後の対応予定です。現時点では「記録を一元的に残す」ところまでとご理解ください。
まとめ
警備員の法定教育は、配置前の新任教育(合計20時間以上)と年度ごとの現任教育(合計10時間以上)の2本立てで、いずれも基本教育と業務別教育で構成されます(いずれも令和元年改正後の一般的な値)。実施義務は警備会社にあり、教育の実施だけでなく、教育実施簿などの記録を作成・保存することまでが求められます。
教育時間や保存期間は改正で変わりうるため、具体的な数値は必ず警備業法施行規則の条文や各都道府県警の公示で最新を確認してください。そして実務では、誰に・どの教育が・いつ必要かを取り違えないよう、隊員情報と資格の有効期限を一元的に見える化しておくことが、教育不足による配置ミスや記録の抜け漏れを防ぐ近道になります。
教育も資格も、隊員台帳で見える化。
警備HUBは、契約先・現場・隊員・資格を1つの台帳にまとめ、保有資格や検定の有効期限を見える化して、配置前の確認や記録の一元管理を支える警備業務管理システムです。教育の受講状況もカスタム項目で残せるため、監査や立入りへの備えがしやすくなります。
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監修:依田 尚人(警備HUB 開発責任者)。警備実務の専門家への取材・助言を経て警備HUBを開発し、その業務知見をもとに本記事を確認しています。
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