警備業法19条の契約書面|契約前・契約後の違いと記載事項
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警備業法19条の契約書面|契約前・契約後の違いと記載事項

2026年9月10日21分で読める

警備業法19条の契約書面|契約前・契約後の違いと記載事項

警備業法第19条は、契約締結までに概要書面を交付し、契約締結後は遅滞なく契約内容を明らかにする書面を交付する二段階を定めています。

契約前の見積書や説明資料を渡しただけで、二つの書面交付が当然に完了するわけではありません。契約前か契約後か、1号から4号までのどの警備業務か、機械警備業務かを分け、各段階で必要な事項を確認する必要があります。

この記事では、交付時点、共通項目と業務区分ごとの固有項目、依頼者が確実に内容を理解できる交付方法、電子提供の事前承諾を整理します。契約確定後に、契約台帳から現場・配置・報告・請求へ条件を引き継ぐ方法も解説します。

警備業法19条の契約書面とは

警備業法第19条の契約前・契約後書面を分ける二段階
警備業法第19条の契約前・契約後書面を分ける二段階

契約前書面は締結までに交付する

警備業法第19条第1項は、警備業者が依頼者と警備業務を行う契約を締結しようとするとき、契約を締結するまでに、契約の概要を記載した書面を依頼者へ交付するよう定めています。契約後にまとめて渡すのではなく、依頼者が契約前に条件を確認できる時点で交付します。

警備業法施行規則第33条は、警備業務の区分ごとに契約前書面の記載事項を定めています。警備業者の名称・住所・電話番号、業務の日と時間帯、人数と担当業務、隊員の知識・技能、服装、機器・資機材、報告、対価、支払、期間、再委託、免責、損害賠償、更新・変更・解除、苦情窓口、特約などを、該当する区分に沿って確認します。警備の契約書・契約種別管理と合わせ、契約条件の管理単位をそろえてください。

契約後書面は締結後遅滞なく交付する

警備業法第19条第2項は、契約締結後、遅滞なく契約内容を明らかにする書面を依頼者へ交付するよう定めています。業務内容、対価その他の支払金額、支払時期・方法、警備業務を行う期間、契約解除に関する事項などを明らかにします。契約締結年月日など、警備業法施行規則第34条が定める事項も確認します。

契約前書面は締結判断に必要な概要を示し、契約後書面は成立した契約内容を明らかにするものです。記載事項に重なりがあっても、警備業法第19条は交付時点の異なる二段階を置いています。契約前に交付した記録と、契約後に交付した記録を分け、いつ誰へどの版を渡したかを残します。

段階交付時点確認の中心
契約前書面契約締結まで契約概要と業務区分別の条件
契約後書面契約締結後、遅滞なく成立した業務内容、金額、支払、期間、解除等

契約書面の記載事項

契約前・契約後の共通項目と業務区分別項目の対応
契約前・契約後の共通項目と業務区分別項目の対応

共通項目を契約前・契約後で照合する

契約前書面では、業務を行う日と時間帯、人数と担当業務、隊員の知識・技能、服装、使用する機器・資機材、事故発生時の措置、依頼者への報告方法・頻度・時期などを確認します。さらに、対価等の金額、支払時期・方法、期間、再委託、免責、損害賠償、更新・変更・解除、苦情窓口、特約も警備業法施行規則第33条の該当項目に沿って整理します。

契約後書面では、警備業法第19条第2項と施行規則第34条に従い、成立した業務内容と金額、支払、期間、解除などを確定情報として示します。契約前の予定人数や時間帯が交渉で変わった場合は、古い概要をそのまま契約後書面へ流用しません。契約前の提示条件、合意した変更、契約後の確定条件を照合し、不一致を解消して交付します。警備会社のインボイス対応も合わせ、契約条件と請求情報の役割を分けます。

1〜4号・機械警備の固有項目を確認する

警備業法施行規則第33条は、施設警備などの1号、交通誘導・雑踏警備の2号、貴重品運搬警備の3号、身辺警備の4号、機械警備業務で固有項目を分けています。例えば2号業務では実施場所と負傷等の事故発生時の措置、3号業務では警備対象物、路程、管理、盗難等の事故発生時の措置などを確認します。

1号業務では対象施設と鍵の管理、盗難等の事故発生時の措置、4号業務では警備対象者と危害発生時の措置、機械警備では基地局・待機所、機器の概要、路程または通常の到着所要時間、送信機器の維持管理方法などが固有項目です。複数区分を含む契約では、一つの共通ひな型だけで完了とせず、該当する区分ごとに項目を確認します。

業務区分契約書面で確認する固有事項の例契約台帳へ渡す情報
1号対象施設、鍵管理、盗難等の事故時措置施設、時間、人数、報告条件
2号実施場所、負傷等の事故時措置現場、日時、人数、資機材
3号対象物、路程、管理、盗難等の事故時措置対象、経路、車両、期間
4号対象者、危害発生時の措置対象、日時、担当、連絡条件
機械警備基地局・待機所、機器、路程等、維持管理施設、機器、対応条件、期間

この項目対応表は、警備業法施行規則第33条・第34条の業務区分と、契約確定後に現場・配置・報告・請求で使う情報を対応させたものです。法定記載事項の代わりとなる表ではないため、実際の書面は該当条文と契約内容で確認します。

交付と電子提供の実務

契約書面の交付・事前承諾・電子提供・証跡の流れ
契約書面の交付・事前承諾・電子提供・証跡の流れ

依頼者が内容を確実に理解できる方法で交付する

警備業法施行規則第35条は、第19条第1項・第2項の書面を交付する際、依頼者に書面を十分に読むべき旨を告げる方法など、依頼者が確実に記載内容を理解できる方法で交付するよう求めています。書類を置いただけ、送信しただけで終えず、対象契約と書面の段階が依頼者に伝わる方法を選びます。

交付時は、依頼者名、契約案件、契約前・契約後の別、書面の版、交付日、交付方法、対応者を記録します。説明時に修正が生じた場合は、旧版を確定版として扱わず、どの版が最終合意内容かを明確にします。報告方法や頻度は契約後の運用にも影響するため、現場担当へ引き継ぎます。警備報告書の書き方とテンプレートと合わせると、契約した報告条件と実施記録を照合できます。

承諾を得て電子提供し、交付証跡を残す

警備業法第19条第3項は、依頼者の承諾を得た場合に、書面交付に代えて所定の電磁的方法で事項を提供できると定めています。警備業法施行令第1条第1項により、警備業者は使用する方法の種類と内容をあらかじめ示し、書面または電磁的方法で承諾を得ます。依頼者が電子提供を受けないと申し出た後は、再び承諾するまで電子提供できません。

警備業法施行規則第36条が認めるのは、送信して受領者側のファイルに記録する方法、閲覧に供して受領者側のファイルへ記録する方法、事項を記録した電磁的記録媒体を交付する方法です。受領者が出力して書面を作成できる必要があります。同規則第37条に沿って使用方法とファイルの記録方式を示し、承諾、提供日時、提供先、対象版を証跡として残します。警備業の法定書類を電子化する条件では、営業所の備付書類との違いを整理しています。

契約台帳から配置・報告・請求へつなぐ

契約先・現場・期間・請求条件を配置と報告へ引き継ぐ流れ
契約先・現場・期間・請求条件を配置と報告へ引き継ぐ流れ

警備HUBで契約先・現場・期間・請求条件を一元管理する

警備HUBでは、契約先、現場、契約台帳、隊員マスタ、配置、巡回報告、警備報告書PDF、月次請求集計を一元管理できます。契約確定後に、現場、期間、配置人数、報告方法、請求条件を業務データへ引き継ぐことで、管制、現場、経理が同じ契約条件を確認しやすくなります。

ただし、警備HUBは警備業法第19条の契約前・契約後書面を自動生成する機能を持ちません。法定項目の確認、書面作成、依頼者への説明、電子提供の承諾取得、交付証跡の保存は会社が行います。警備HUBが担うのは、契約確定後の現場・配置・報告・請求に必要なデータ管理です。

契約確定後の配置・報告・請求の流れは、警備HUBの無料で製品体験で確認できます。

よくある質問

契約前後の二段階・電子提供・見積書に関する3つの確認
契約前後の二段階・電子提供・見積書に関する3つの確認

契約前書面と契約後書面は同じ内容でも2回必要ですか

警備業法第19条は、契約締結までに交付する概要書面と、契約締結後に遅滞なく交付する契約内容書面を別の段階として定めています。記載事項に重なりがあっても、契約前の説明と契約後の確定内容という交付時点の違いはなくなりません。

同じひな型を利用する場合も、契約前に交付した版と、締結後に成立した条件を記載した版を区別します。交渉で金額、期間、人数、報告条件などが変わったときは、契約後書面へ確定内容を反映し、それぞれの交付日と交付方法を記録してください。

メールやクラウドで渡せますか

依頼者の承諾と所定の提供方法を満たす場合は、警備業法第19条第3項により電磁的方法で提供できます。事前に使用する方法の種類・内容を示し、書面または電磁的方法で承諾を得る必要があります。単にメールアドレスを知っていることを承諾と扱わないでください。

提供方法は、警備業法施行規則第36条に適合し、受領者が記録を出力して書面を作成できるものでなければなりません。メールやクラウドという名称だけで可否を決めず、受領者側への記録、出力可能性、承諾、提供証跡を確認します。

見積書を渡せば契約前書面になりますか

見積書という名称だけで、警備業法第19条第1項の契約前書面になるとは判断できません。警備業法施行規則第33条のうち該当する業務区分の記載事項が含まれ、契約締結までに、依頼者が確実に内容を理解できる方法で交付されているかを確認します。

金額と人数だけの見積書では、事故時の措置、報告、再委託、免責、損害賠償、解除、苦情窓口などの必要事項が不足する可能性があります。見積書、契約前書面、契約後書面の役割を分け、同じ書式を兼用する場合も法定項目と交付時点を個別に照合してください。

まとめ

警備業法第19条は、契約締結までの概要書面と、締結後遅滞なく交付する契約内容書面の二段階を定めています。警備業務の区分ごとに記載事項を確認し、契約前の提示条件と契約後の確定条件を照合してください。

電子提供では、方法の種類・内容を事前に示して依頼者の承諾を得ること、受領者が書面を作成できること、承諾と提供の証跡を残すことが重要です。契約確定後は、現場・配置・報告・請求へ同じ条件を引き継ぎます。

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監修:依田 尚人(警備HUB 開発責任者)。警備実務の専門家への取材・助言を経て警備HUBを開発し、その業務知見をもとに本記事を確認しています。

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